フランス　教会アイアンドア。

ゴシック様式のアーチシルエット。
その出で立ちが逞しく力強い重厚なドア。
街の教会に相応しい洗練された装飾が、見る者を圧倒する。
中世の人々にとっては事物の全てに象徴的な意味があり、故に、ゴシック教会を彩る様々な装飾は、
聖職者たちの世界に対する理解そのものであった。
彼らは、美を神の創造と同義であると考え、教会を装飾することを神への奉仕と捉えていた。

雨風に打たれながらそこに居続けた証の錆や傷みさえ愛おしい。
中央部はガラス窓となっており、開閉はスムーズ。
アイアンのフレームと光を反射するガラスの輝きが何とも言えぬ情緒を感じる。
長い年月を過ごしてきた間に、ガラス窓を閉めた際に引っ掛けて固定する金具はどこかへ行ってしまいました。
また、錆びて脆くなった裏面の鍵穴の上のフレームは本体と離れないよう針金で固定されています。
教会とかつて共に過ぎた日々が積み重なり、愛され今ここに居る。

正面下部には翼をモチーフにした紋章。
それを取り巻く小さな花のモチーフの取っ手に蔓のような伸び伸びとした装飾。
日が差し込めば幻想的な陰影を落とし、威風堂々たるその存在がこれからの生活に入り込み見守られて共に生きていく。

SIZE
H：189cm
W：75.7cm
D：2.3cm

重量
約67kg